2026-09-04 / リライトの運用

サーチコンソールでリライトする記事を選ぶ方法:11〜20位・低CTR・下落の3条件

リライトする記事を「なんとなく伸びそう」で選ぶと、担当者ごとに違う記事を直し、効果も測れません。 私たちは 13 サイトの運用で、候補を 3 つの条件で機械的に絞り、暫定スコアで見に行く順番を決めています。 この記事は、その 3 条件と、Search Console の画面でそれぞれを絞り込む手順、記事を開いたら何を直すか、効果をいつ測るかをまとめたものです。

1. 候補は 3 条件で絞る

条件はすべて「直近 28 日」のデータで判定します。数値の境界は私たちの運用での暫定値で、サイト規模に合わせて上下させて構いません。

条件判定意味
(1) 惜しい順位掲載順位 11〜20 位、表示回数 100 以上2 ページ目にいる。本文で扱えば 1 ページ目に上がる余地がある
(2) 高表示・低 CTR表示回数 1,000 以上、CTR 1% 未満見られているのにクリックされていない。title・ディスクリプションの問題であることが多い
(3) 順位下落前回取得比で順位が 3 以上悪化(両期間とも表示回数 50 以上)競合の追加や本文の陳腐化。放置すると流入が減る

(1) と (2) は「今どこにいるか」で決まる判定、(3) は「前回からどう動いたか」で決まる判定です。軸が違うので、同じ記事が (1) と (3) の両方に当たることもあります。 表示回数の下限を付けているのは、表示 10 回で 15 位のクエリを直しても、1 ページ目に上がったところで得られるクリックが数件だからです。

2. Search Console の画面での絞り込み手順

Search Console の「検索パフォーマンス」レポートで、条件ごとに次の順で操作します。期間はまず「過去 28 日間」にします。

(1) 惜しい順位:11〜20 位で表示 100 以上

  1. 「検索パフォーマンス」→ 表の「クエリ」タブを開く
  2. グラフ上部の「平均掲載順位」をオンにして、表に掲載順位の列を出す
  3. 表の右上にあるフィルタ(じょうごのアイコン)で、掲載順位が 10 より大きい、表示回数が 100 以上、の 2 条件を付ける
  4. 掲載順位の列で昇順に並べ替え、11〜20 位の範囲を上から見る

クエリで絞ってから、気になるクエリをクリックして「ページ」タブに切り替えると、そのクエリで出ている URL がわかります。逆に「ページ」タブから始めて、記事ごとの流入クエリを見る順でも構いません。

(2) 高表示・低 CTR:表示 1,000 以上で CTR 1% 未満

  1. 「ページ」タブを開き、「平均 CTR」をオンにして CTR の列を出す
  2. フィルタで、表示回数が 1,000 以上、CTR が 1% より小さい、の 2 条件を付ける
  3. 表示回数の列で降順に並べ替える。上にあるほど、直したときの効き目が大きい

ここで掲載順位も一緒に見てください。1〜3 位で CTR 1% 未満なら、ブランド語や画像・動画などの検索結果に押されている可能性があり、title を直しても動かないことがあります。4〜10 位で CTR が低いほうが、title とディスクリプションで動きやすい候補です。

(3) 順位下落:前回比で 3 以上悪化

  1. 日付のフィルタを開き、「比較」タブで「過去 28 日間」と「前の期間」を比較にする
  2. 「クエリ」タブで、掲載順位の「差」の列を出し、悪化が大きい順に並べ替える
  3. 両方の期間で表示回数が 50 以上ある行だけを見る。片方が数回しかない行は、差が出ても揺れでしかない

順位は数値が大きいほど悪いので、比較表の「差」の符号には注意してください。プラスは悪化、マイナスは改善です。

エクスポートして表計算で絞る

画面のフィルタが扱いにくいときや、条件を毎週同じに保ちたいときは、表の右上の「エクスポート」から Google スプレッドシートか CSV に出して、表計算で絞ります。 エクスポートで出るのは画面の表と同じ最大 1,000 行なので、クエリ数が多いサイトでは下位が入りません。上位 1,000 行に候補が収まる範囲で使うか、API で取得してください。

表計算では、B 列 = クリック、C 列 = 表示回数、D 列 = CTR、E 列 = 掲載順位として、フィルタ機能で「E が 11 以上 20 以下かつ C が 100 以上」のように条件を付けるだけです。 前回比を出すなら、先週エクスポートしたシートとクエリの列で突き合わせて、順位の差を計算する列を足します。

3. 優先順位の付け方:見に行く順番を決めるスコア

候補が 30 件出たとして、全部は直せません。私たちは 2 つの暫定スコアで並べています。どちらも「絶対値に意味がある指標」ではなく、今週どれから見に行くかを決めるための順番付けです。

狙い目スコア = 表示回数 × (21 − 順位) ÷ 10

(1) 惜しい順位に使います。表示回数が多く、順位が 11 位に近いほど高くなります。表示 8,000 回で 12 位なら 8,000 × 9 ÷ 10 = 7,200、表示 500 回で 19 位なら 500 × 2 ÷ 10 = 100 です。

増分クリック見込み = 表示回数 × (順位別の期待CTR − 実CTR)

(2) 低 CTR に使います。「その順位ならこのくらいはクリックされるはず」という期待 CTR との差に、表示回数を掛けたものです。期待 CTR は次の暫定基準を使っています。

1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
28%15%11%8%7%5%4%3.5%3%3%

例えば表示 3,150 回・順位 4.1(期待 CTR は切り上げて 5 位の 7%)・実 CTR 0.8% なら、3,150 × (0.07 − 0.008) ≒ 195 クリックの余地がある、と読みます。 CTR はブランド語・端末・検索意図・検索結果の形で大きく変わるので、この基準を「異常かどうかの判定」に使わないでください。あくまで順番を決めるための固定値です。

(3) 下落は、スコアより先に「表示回数が多い順」で見ます。表示の多い記事が 3 位落ちたほうが、表示の少ない記事が 5 位落ちたより失うクリックが多いからです。

4. 記事を開いたら何を直すか

候補の記事を開いたら、その記事に流入しているクエリを順位で 3 つに分けて、それぞれ直し方を変えます。

分類条件直し方
主戦場1〜3 位維持。title から語を外さない。古い年号・価格・仕様など本文の陳腐化を直す
伸ばす4〜10 位で CTR が期待値未満title・ディスクリプション・h2 にクエリの語をそのまま入れる。検索意図に答えていることを冒頭で示す
惜しい11〜20 位その語で見出しを 1 本足し、本文で明示的に扱う。すでに別の記事がその語で上位なら、追記せず統合を検討する

「伸ばす」は本文を書き直す必要がないことが多く、title と見出しの語の入れ替えだけで動きます。「惜しい」は逆に、title をいじっても動かないことが多く、本文にその語の見出しを足すのが効きます。 どちらも、直す前にサイト全体のクエリ一覧で他の URL が同じ語で何位にいるかを確認してください。同じサイトの 2 本が同じ語を奪い合うと、両方の順位が不安定になります。

5. やってはいけないこと

  1. 欠落リスクがある状態で「クエリが減った」と判断する。API で長期間を 1 回で取ると、1 日・1 サイト・1 検索タイプあたり 50,000 行の上限で下位クエリが黙って切り捨てられます。画面のエクスポートも 1,000 行までです。 取り切れていないデータで「ロングテールが減った」と結論すると、存在しない下落を直しに行くことになります。実測は 50,000 行制限の記事 にまとめています。
  2. 順位を単純平均する。クエリをページ単位にまとめるとき、掲載順位を表計算の「平均」で集計すると誤ります。順位は表示回数で重み付けして集計します(平均掲載順位の記事)。単純平均で出した「下落」は、下落ではないことがあります。
  3. 前回比を 1 週間のブレで判断する。7 日分の順位差は、検索結果の揺れだけで 3 くらい動きます。「下落」の判定は 28 日窓どうしの比較で行い、両方の期間で表示回数が十分にある行だけを見てください。

6. 効果測定:公開後 4 週間で同じ指標を見る

リライトを公開したら、4 週間後に同じ 3 条件の指標(順位・表示・CTR)を、直す前の 28 日と比べます。 Search Console のデータは確定まで約 3 日遅れるので、公開直後の数日は見ても意味がありません。1〜2 週間で判断すると、上の「1 週間のブレ」と区別がつきません。

比較するときは、直す前の数値を残しておくことが前提です。Search Console の画面は 16 か月で過去データが消え、比較機能も期間の組み合わせに制約があるので、リライトした日と、その時点の順位・表示・CTR を表計算に控えておいてください。

7. RocketConsole での運用

RocketConsole では、この 3 条件を全サイト横断の 施策キュー として毎週月曜に自動で並べています。 「惜しい」は狙い目スコア順、「低 CTR」は増分クリック見込み順、「下落」は前回スナップショット比で、13 サイトぶんが 1 画面に出ます。 記事 URL を貼ると、その記事の流入クエリが「主戦場・伸ばす・惜しい」に分類される 執筆モード があり、title に入れる語と見出しを足す語がそのまま決まります。 毎週の 28 日スナップショットは上書きせずに残るので、4 週間後の効果測定は、リライトした週の点と今の点を比べるだけです。

参考

3 条件を毎週自動で並べる

惜しい順位・低 CTR・下落を、全サイト横断の施策キューに毎週自動で並べます。記事 URL を貼れば、直す語まで決まります。

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